社長のブログ

間違いだらけのマンション建設

土地の有効利用や税金対策などでアパートやマンションを建てる方が増えてますが、地主さんに対し、「アパートかマンションを建築しませんか?」と最初にアプローチする会社が不動産業者の場合と、建築会社の場合によって、出来上がりが大きく違いが出ることのお話です。
不動産会社の場合は借りられる方に直接接している機会が多いため、建てた後の入居需要を重視する傾向にありますが、建築会社が主導権を持って建てられる場合は、どちらかというとその土地の広さに合わせて建ててしまう傾向にあります。悪い言い方をすると、建築費をできるだけ高くするためにその土地で建てることのできる目一杯の大きさ、規模にしてしまうのです。
建築会社が持っている設計パターンが当てはまる建物を勧める場合などもよくあります。建てた後の需要や周辺環境も調査しないで同じようなアパートばかり建築するものですから、新築しても入居者が決まらない建物が増えていくのです。
建築会社は「必ず入居者は見つけます。出来上がった時点で満室になります。」とか言って建築を進めますが、その数年後にその土地から数百mしか離れていない土地の地主にも同じような誘い文句で同じような賃貸物件を勧めているのが実態なのです。
賃貸物件を建てる際は、建築会社だけに設計や建物のプランを任せるのではなく、必ず地元の信頼のおける不動産業者に需要(マーケティング)調査や立地条件(ファミリー向けか単身者の需要が多いか、とか1階はテナントでも需要があるかなど)を充分に調査した上で、周辺に似たような物件が建っても競争できる建物を企画すべきだと思います。また、建てる方の個人的な事情(相続税対策なのか土地の有効利用なのか、将来息子が帰ってきて商売でも始めないか、などなど)や、周辺が今後どのような建物や道路が付くかなども総合的に判断して、建物の構造、規模、間取りを決めるべきだと思います。
新築時に満室になるのは当たり前であって、10年経っても満室かどうかが、本当の賃貸経営だと思っています。 家賃保証なんかを当てにして建てることは絶対お止めくださいね。