社長のブログ

「ビフォー・アフター」というマジックショー

「劇的ビフォー・アフター」と言う番組がありますね。
匠(たくみ)と称される敏腕設計士が古くて住みにくくなった店や住宅を大改装して、見ている人を「こりゃうまくできたねぇ~」とか「すごいアイデアだねぇ~」と驚かせる番組です。
あの番組を見ていると一つ気になることがあるのですが、それはその家の住民(施主)が不在のまま、勝手に?改装してしまって、最後に招き入れて一緒になって驚いているんですよね。
もちろん、改装する前に設計士と生活スタイルや自分の希望を伝えるんだろうと思うけど、番組ではいつも、すべて建替えてしまったような家を見て、「へ~~」とか言って視聴者と共に感動?しているのが、どうも私には理解できないんですよね。
確かに、隠れたところから収納ボックスが飛び出したり、テーブルが伸びたり縮んだり、小さな滝のように庭に水が落ちてきたり、まるで以前から住んでいた家を、家主の断りも得ずにマジックのように作り直してしまったようにしか私には感じられないですよ。
テレビの番組の一つのショーみたいなものだし、「劇的」と謳っているからには多少の改装では番組にならないし、視聴率も稼げないのだから、そんな堅いこと言わずに一緒にビックリして楽めばと言われそうですが、驚かせるためだけという理由で、あの手この手でトリッキーな発想をそのまま具現化しても、その後実際に住んでみて施主は本当に満足しているのだろうかと私は疑問を持ってしまうのです。
ちょっと頭が堅すぎるのかもしれませんが、家というのは人に見せるだけで作るのではなく、実際にそこに住む人が満足するかどうかが一番大切なことなのですから、あのような改装ができる設計士がすばらしい設計士だと勘違いしないようにくれぐれもお願いしたいものです。