よもやま話

不動産業界のITの話

数年前より爆発的に普及し始めたインターネットやパソコンの普及で、不動産業界もかなり販売方法や連絡通信手段が変わりつつあるようですが、それは都会の大手不動産会社や福井でもまだ一部の会社だけのようです。
福井の不動産業者の約90%が加入している福井県宅地建物取引業協会では、各不動産業者へ連絡する手段として、昨年まではファックスだけを利用しておりましたが、昨年春より業者間だけの物件情報交換に、名古屋に本部を置く中部圏不動産流通センター(中部圏レインズと呼ばれています)にホストコンピューターを利用したインターネット通信も併用することとなりました。
業者がお客様から物件の売買や賃貸を依頼され、専属専任契約や専任契約を結んだ場合は、必ず国土交通省が指定している物件流通機構に登録をしなければいけないのですが、福井県の場合、指定流通センターが前述の中部圏不動産流通センターであることから、必ずここに登録することが専任契約上の義務となっているわけです。ところが、不動産物件情報は一件ごとに各種の法的な規制や、契約条件などが異なり非常に多くの情報を入力しなければなりません。その上、写真や間取、地図までパソコンを使って入力するのは非常に手間のかかる前に、その知識や技術を少しでも学ばなければできないのはご承知の通りです。その上、業者間の情報交換ばかりでなく、末端のお客様向けへの情報発信もインターネットで行わなければ意味がないとの要望に応じて、先般より「ハトマークサイト」というサイトが立ち上がってしまいました。パソコンすら触ったことのない、老練な不動産屋さんには説明書を呼んでもチンプンカンプンといったところへ、次々に情報革新が起こるものですから、最初レインズへの物件登録も各社からパソコンで各自が行ってもらうように計画していた協会も、今のところは、業者が契約した図面等を未だにファックスで送ってもらい、それをすべて協会が代行してパソコンへ入力している状況です。お客様への情報発信として立ち上げたハトマークサイトへは協会も手が回らないので、業者が直接入力することとなっておりますが、前述通りファックスがやっと一人前に使えるようになった業界のほとんどの人間は、全く使う気にもなっていないのが現状のようです。その証拠はhttp://www.hatomarksite.com/ をご覧になるとよく判ることと思います。
ところが、ほとんど情報が入力されていないこのサイトを全国レベルでテレビCMにバンバン流しだしたので、これは大変、CM見て物件を探しにパソコンつないだけど、30件ほどしか情報が入っていないというお叱りの電話が協会に入っているそうです。私も協会から依頼を受けなるべくハトマークにも情報を入力しようと努力していますが、目の前の営業に時間をとられ大変です。誰も入力しなくて誰も見なければそのうちサイトは消滅するのでしょうが、多分かなりの補助金などももらって運営し、協会もかなりのお金を出していることから、簡単には閉鎖するとは考えられない状況です。
その点、「不動産のれん会」はお金もかけずに、各社からの直接入力でかなりの別件数が登録されており、会の幹事をしている私も非常にうまく言っている例ではないかと自負しております。協会のサイトもそのうち入力代行を行う業者が出てきて、活気が出ることと思いますし、そう願っておりますがもう少し(いやまだまだ)時間はかかりそうです