不動産取引のお役立ち情報

仲介手数料と特別管理料

最近、賃貸物件を取り扱う不動産業者のフランチャイズ(FC)化が加速しています。これらの業者は、マンションに空室が出たら、できるだけ早く入居者を決定させるため、空室情報をその加盟店で共有化し、一元化したネット広告やテレビ広告を打ち出し、統一化した店舗看板やフォームを使用し省力化を図りつつ、営業利益を上げようとしています。
これらのFC加盟店では、今まで自分の店舗で入居者を決めていれば1か月分の手数料が全額自分の店の利益になったのが、他の会社に情報を流して他の会社が仲介に入ったら、手数料は半分になってしまうので、利益が半額になってしまうことを避け、あの手この手で収入を上げるため、これまでほとんどが入居者からの報酬だけだったのが、家主からも報酬を得る手法を使っています。つまり、入居者から家賃の1か月分を仲介手数料として頂き、家主からは、特別管理料とか特別広告料とかの名目で、更に家賃の1か月分の報酬を頂いているのです。こうなると同じ営業活動をしていて1件決めれば儲けは今までの2倍、往復ビンタのごとく手数料が入ってくると言うわけです。
それじゃ業界にこのような報酬の規定はないのかというと、宅地建物取引業法という法律で報酬が規定されており、賃貸物件の契約での報酬は貸主・借主のどちらから頂いてもかまわないのですが、1件の仲介の報酬(総額)限度額は月額賃料の1か月分以内と決まっているのです。
それじゃ、入居者からも家主からも家賃の1か月分ずつ、合計で2ヵ月分も報酬をもらうのは違反ではないかと問題になると思いますが、これらFCの主張は、入居者からもらうのは宅地建物取引業法上の仲介手数料で、家主からもらうのは管理費の延長で宅地建物取引業法の報酬規定に抵触しないという解釈をしているのです。
数年前までは入居者が決まっても家主が不動産会社に報酬を払うことはほとんど見られなかったのですが、これだけ賃貸物件が乱立し、空室が多くなると家主側も1か月分を支払ってでも入居者を確保したい「借手市場」がこういった新たな報酬を生み出した原因でもあるのだと思います。
私は個人的にもこれだけ空室が多くなって、特に建築後10年以上経ったマンションでは古くなった分新築との競合に負けることも多く、その分、入居者を決める際はかなりの広告費用がかかりますし、退去の際の立会いや修繕などに非常に手間がかかることは日頃も実感していることなので、現在、対処を考えている最中ではありますが、少なくとも建築後概ね6,7年以内の物件はそれほど入退去に苦労することがないことから、特別管理費の導入は考えておりません。
また、このような特別管理費を報酬として頂くことについて、あくまでも法令順守の立場から今後の指導などがないかどうか、家主の意向等も良く伺いながら進めていこうと考えています。

2007/5/31