社長のブログ

良い住宅営業マンとの出会い(社長のボヤキ)


新しい分譲地の販売を始めると一般の土地を探しているお客様のほかにも必ず住宅メーカーの営業マンから問い合わせがあります。新しく家を建てたい意思はあるけど気に入った土地がないというお客様がそれだけ多いということなのでしょう。住宅の営業マンは土地を探すことで建物を受注する確率が数段アップしますし、土地だけを売りたい私たち不動産業者も販売営業の手間が省ける利点があり「この土地が気に入っているお客様がいる」と電話がかかると身を前に乗り出すような気持ちになります。
しかしながら数日経つと前に乗り出した体は、徐々に後ろに傾いてしまうことも数多くあります。それはこのルートでの商談は必ず土地の値引きになることが多いからなのです。それも、場所と値段を聞いてきた数日後にいとも簡単に「100万円ほど安くなりませんか?」と電話がかかってくるのです。
900万円の土地価格をいきなり100万も…。「ざけんじゃねぇよ」と言いたいのですが、そのうち成長してどこかの土地を売ってきてくれるかもしれない営業マンにそういうことも言えませんので、じっと我慢し丁寧にお断りはしますが、なぜこういうことが多いのか私なりに考えてみました。
具体的に土地の候補地が見つかり、その土地に合わせた建物の間取りが大体決まると、お客様にとっては土地や建物代金の個々の代金ではなく、諸費用等も含めた総額が究極の問題となります。そこで住宅営業マンが総額とローンの支払い金額を提示すると、「それじゃ高くてローンが払えない。もっと安くならないか」と次に大抵は値引きの話が出てきます。高い買物ですから最初は100万単位で安くできないか要求するお客様もおられることは安易に想像がつきます。また、お客様は総額で安くなれば良い訳で、建物だけをもっと安くしろとかは言わないのでしょう。
そこからが住宅営業マンの資質と経験が問題となるのですが、本当の良い営業マンは、「これだけの品質と間取りを確保して一気に100万円単位で安くするには非常に難しいのですが、細かいところをもう一度精査して、安くなるところをピックアップしてみましょう。」と言うのではないかと思います。そうして単価何10円単位で部材や仕様を変更し、3万円5万円を積み重ねて、ようやく数十万円の値下げをしてもう一度お客様と交渉重ねるのだと思うのです。
ところが、経験の乏しい安直な?住宅営業マンは建物価格は見直すことなく、「じゃ土地を100万円値切ってもらいましょう。私が共立の社長さんと交渉してみますよ。良く知ってますから」な~んてお客様の前で大見得を切ってしまい、結局「ざけんじゃねぇよ」になってしまうのではないかと私は思うのです。(そうなった後の会話 「共立の社長ってあんな大きな体していて意外と細かいこと言うんですよ。」…
確かに土地価格は決まった価格があるわけではなく、立地や方向や形状もすべてが違い価格も売りたい人の事情や時期によりかなり変動はしますが、こちらだってこれまでの経験や色々な諸事情を勘案してせっかく付けた正札なのですから、いきなり100万単位で安くするなんて、多少のプライドもあることもわかって欲しいのですよね。(そのうえ私だけが悪者扱いされちゃ…)
土地に比べて建物価格は大工さん以外に基礎や屋根、壁、給排水、電気工事業者など多くの人手と多くの材料や設備が細かく積算して決まっていくわけで、建物着手前であれば、性能や仕上げに関係ないところで設計を変更すれば、価格を下げられる要素をかなり含んでいる商品なのだということもわかって欲しいのですよ。
時間をかければ安くなるわけではありませんが、こういう努力をした上で、「私の(建築)会社の営業努力で建物をこれだけ安くしましたが、あと○○万円だけお客様の予算がオーバーしてしまいます。どうかこれだけまで安くしてもらえませんか?」という営業マンがいたなら、私はもっと身を乗り出して相談に応じると思っているのですが、最近はそういう営業マンに余り会えないのが残念で仕方ありません。