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固定資産税 その2 建物の取壊し

固定資産税は毎年1月1日現在の土地建物に対しその所有者に課税され、市町村により多少異なりますが、3~4月に固定資産台帳の縦覧期間といって、今年はこれだけの固定資産税を課税しますよ、と市役所や役場で台帳の縦覧(申請すれば誰でも見せてもらえる)があり、不服があればこの期間に申出することとなっています。特に問題がなければ5月頃に各納税者宛に納付書が発送されます。
そこで、土地は絶えず誰かの所有になっていますので1月1日現在の所有者(原則として登記簿上の所有者)に課税されますが、建物は1月1日現在建っている建物に対して課税されることとなりますので、例えば12月下旬近くに出来上がった建物は、できれば1月に完成したとすれば、その年の固定資産税は賦課されません。どの時点で建物が完成したとするのかは難しい判定になりますが、使用するかしないか、家屋調査を行っているかどうかでなく客観的に見て判断するといわれています。(少しあいまい)
逆に11月頃から取壊し始めた建物だったら、12月31日までに取り壊してしまえば、翌年の建物分の固定資産税は課税されません。
しかしそこで早合点は禁物なのです。建物は固定資産税もかかるから、多少使える古家でも何が何でも壊してしまった方が得するのかというとそうでもないのです。
建物を取り壊せば建物の固定資産税はなくなりますが土地の固定資産税は引き続き賦課されるのですが、建物が住宅の場合は住宅用土地の軽減という処置があって土地の200㎡までは本来の税額のナント6分の1、200㎡を越える面積についても3分の1に軽減される処置がされているので、建物を取り壊すとこの軽減処置が効かなくなってしまうのです。
取り壊す住宅の評価が200万円で固定資産税が年額28000円、その下の土地が200㎡で700万円の評価額で課税標準額(値上がりの調整後)が525万円だったとすると、これまで、土地建物で40250円だった固定資産税が、土地だけで73500円になってしまうのです。
この住宅用土地の軽減は「もっぱら住宅のように供している建物」が対象となり軽減されますので、住宅用土地の軽減を受けている土地上に建っている住宅は、むやみやたらに取り壊さないほうが得策になく場合もあるのです。
また、ほとんど住んでいない住宅でも「もっぱら住宅のように供している建物」と見なして、(役所に見なされて)軽減処置を受けている土地が多いのですが、誰も住まなくなって周辺に迷惑掛けるほど朽廃している建物は、固定資産税の損得だけでなく、地震などの際も心配ですし、火災なども無用心ですからやはり早く取り壊すか、補強改修して貸家などに転用するか、売却したほうがいいのではないかと思います。
住まなくなった建物をどのように活用するかは是非共立不動産でご相談下さい。