不動産取引のお役立ち情報

「契約一時金」ってなんじゃ?

賃貸管理をしていると、家主や管理業者があの手この手で売上を上げようと必死になっている様子がわかる。
まず、最近出くわしたのが「家賃76,000円、敷金38,000円・礼金なし・契約一時金190,000円、鍵販売料13,650円」という物件。
通常なら、敷金3ヶ月、礼金はあったりなかったりの物件だが、敷金が半月分と極端に安い、その代わりに「契約一時金」たるお金がちょうど2.5か月分かかることが明記されている。敷金と契約一時金の合計が家賃の3か月分だから、契約する際に用意する金額は通常とそれほど差異がないようにも思われるが、これは曲者というより、私に言わせると食わせ者だ。
細かい説明を読むと、「契約一時金は契約後返還されず敷金とは異なります。」と書かれている。要は、退去時には戻ってこない礼金のようなものなのだ。退去時には、敷金から原状復帰費用が差引かれるから、それを最初に払っているようなもの、と考えている人には特別おかしいとは感じないかもしれないが、ココで問題となる原状復帰費用には「自然損耗や経年損耗」 つまり、人が普通に住んでいれば当然クロスも多少すすけるし、畳も日焼けするが、その修理修繕費用は賃借人が支払う必要なないのです。賃借人が支払わなければならないのは、故意や過失で傷つけたり汚してしまった部分の修理修繕費用であって、敷金の大部分は戻って来ると言うのが、最近の解約時の常識なのです。
詳しくは賃貸不動産管理協会のココに出ています。
簡単に言ってしまうと、これまで退去時には戻すと言っておきながら、結局自然損耗も経年損耗も含めて賃借人に負担させて、敷金から差引いていたけど、最近は敷金返還がうるさくなってきたので、最初の契約時にもらってしまいます。ってことです。
通常は8年以上住むと、室内の汚れや傷みは特に故意や過失がない限り家主が負担して修繕するものなのですから、敷金はほぼ全額戻ってくるのに、こんな「契約一時金」を支払って入居したら、たとえ何十年住んでいても、全て没収されるのと同じことなのです。逆に数ヶ月入居していて、ほとんど汚さずに綺麗に退去しても一銭も戻ってこないのです。
契約時に、この契約一時金は戻ってこないってよ~く説明を受けてから入居するのでしょうが、その前提となるのは、「退去した時の修繕費用は全て賃借人が負担する」という、最近の賃貸借契約とは全く逆の発想なのです。良く考えてご契約下さい。(できれば避けた方が得です。)
次に、「鍵販売料13,650円」
賃貸物件って普通は部屋を貸すものだと思っていましたが、その部屋には鍵が付いていないので鍵は買ってください。ってことでしょうか。退去する時には、買った鍵は外して持って帰ればいいんでしょうかね。東京には照明器具の付いていない物件も数多くありますが、鍵にしろ照明器具にしろ、「住居として生活する場所」を借りるわけですから、鍵も照明器具も付けて貸すのが当たり前だと思うのは、私だけなのでしょうか。
ついでに、他の物件で見かけた便乗商法みたいなのが、「抗菌処理費用」
前入居者が出て行ったあと、除菌消臭をする費用みたいですが、誰もばい菌がたくさん付いた部屋は借りたくありませんが、綺麗に掃除された後を借りるわけで、抗菌までしないと気がすまない人は最初に、台所やトイレなどはハイターを薄めて拭くだけで、雑菌は死んでしまうと思うのですが…。
も一つついでに。
敷金ゼロ・礼金ゼロ・家賃20%オフとか大きく宣伝していますが、敷金に言葉を変えてシステム料とかが別にかかったり、家賃20%オフ物件は、短期で解約すると違約金が必要だったり、1年間だけの特例だったりで、何かと裏がある話が多すぎ。それより、スカッと3,000円でも安くします。といってる業者の方が信用できると思いますが、どうでしょうか。
ともかく、キャッチフレーズだけに惑わされずに充分契約内容を把握してから、納得の上で契約して欲しいということです。

2009/3/6