不動産取引のお役立ち情報

登記識別情報ってなあに?


不動産の売買が終わると、本人が自ら法務局に申請した場合を除き、概ね1週間が10日間後に司法書士から、権利証が届けられます。登記済権利証とか、登記済証など、入っている袋の見出しは司法書士の事務所により異なります。



この封筒の中には、このように不動産の地番や地目、面積が書いてあって、最後のページに「登記済」とでっかいハンコを押されていて、受付の年月日と番号が漢数字で書かれています。(売渡証書といってそれまでの権利者が発行した書面にこのハンコが押されている場合もあります。)
この「登記済」のハンコが押されていて、その不動産の登記簿謄本に記載されている受付年月日と受付番号が一致すれば、その不動産の権利証として間違いないものです。


しかし、このような権利証が発行されたのは、福井では2005年までで、それ以降は法務局の登記方式が変更され、権利証がなくなり登記識別情報と言う12桁の番号が書かれた「登記識別情報通知」が発行されるようになりました。一般にはこの通知書が今でも権利証と呼ばれていて、今でも最初の権利証と書かれた封筒に入ってくることが多いのですが、実は、この「登記識別情報通知」は、これまでの権利証とは似て異なるものなのです。

これが、5年前から発行されている登記識別情報通知です。

識別情報の12桁の英数字は、緑のシールを剥がすと印字されているのですが、この12桁の英数字が判ると、悪事を働く確信犯にかかれば、その不動産の所有権移転も書類上はできてしまうほど大事なものです。(印鑑証明の偽造や不正入手などかなり入念にしないとできませんが…)


これまでの権利証とこの登記識別情報の大きな違いは、これまでの権利証は、いわゆる法務局が発行した紙の証明書だったのですが、登記識別情報は文字通り、登記の行なったことを示す情報(暗証番号のようなもの)なので、これまでは不動産の所有者はその証として紙の証明書を持っていて、その証明書があれば、売買などができたのですが、5年前からは、この登記識別情報通知書が無くても、12桁の番号(情報)が判れば、売買できるわけなのです。(もちろん印鑑証明者や本人確認が必要ですが)
5年前からほぼ全国的にこの登記識別情報による登記が始まったので、今から5年以内に購入した不動産を売買しようとすると、権利証ではなくこの登記識別情報を持った売主が出現してくるわけなのです。
ココから少しややこしくなるのですが…、
実はこの登記識別情報は、他の人に見られたとか、紛失したとかで、所有者の申出により無効にすることができる制度や、所有者になった人が登記識別情報の発行をしないことも認められるため、実際に取引を行なう際に、その不動産に登記識別情報が発行されているかどうか、発行されている場合にその番号が今でも有効か無効かを調べる必要があるのです。
そのため、紙の権利証が発行されていた5年前以前に買われた不動産を売る場合は、不動産の取引の当日に売主さんが権利証を持ってきても取引できたのですが、5年前以降に売買され「登記識別情報通知」で登記されている不動産を売る場合には、識別情報が無効になっていないか、もしくはその番号が有効かどうかの確認をしなければならなくなったのです。この確認も少しややこしくて、「無効になっていない」確認は、司法書士がパソコンのオンラインで調べることができるのですが、「無効になっていない確認」はできても、識別情報に書かれた12桁の番号が有効かどうかは、オンラインではできず、法務局に出向いて番号を提示しないと、その番号の有効確認はできないのです。
有効確認のために、法務局に出向いて書面を提出し、係員が調査・確認するのは約20~30分、有効だったことが確認できて、取引を始める訳ですから、取引当日に「登記識別情報通知」がわかっても、これらの確認をするのに1時間以上かかるので、待っている買主も売主も大変です。
じゃ、前日までに確認作業を済ましておけばいいのですが、厳密に言うと、前日まで有効であっても、取引当日に有効かどうかは、登記義務者の良心に委ねるしかないことになります。
また、権利証と引き換えに売買代金を貰わなければ気が済まない人もいて、当日しか「登記識別情報通知」を持ってきてくれないと、法務局から遠い場所で取引すると2時間くらいは覚悟しないとだめだといことになります。
結論として、「登記識別情報通知」を持っている不動産の登記義務者(売主など)は、前日までに有効確認をするために、「登記識別情報通知」を司法書士にお預けいただければ助かります。但し、「登記識別情報通知」は大事な情報ですから、できれば信用できる不動産業者か司法書士にお預けし、必ず預り証を書いてもらうよう心がけてください。

2010/7/26