社長のブログ

不動産屋って大変なんですよ

最近、難しいというか、ちょっと複雑な物件のお取引が重なり多忙を極めています。
まず権利関係が、半分借地で、半分所有地、その両方にまたがって建っている住宅の売買ですが、権利的には所有権と借地権(地上権ではなく土地賃借権)の売買なのですが、借地権者(土地所有者)の承諾も必要ですし、その後の借地契約もまとめなければなりません。
「一粒で2度おいしい」の逆で、取引上の仲介手数料は1回分なのに、手間は2件分てな具合です。
さらに、相続登記がされていない、建物の表示登記がされていない、住宅の土地の一部の地目が畑っていう物件なのですが、売りに出された時からわかってはいたことなのですが、やはり買主が決まらないと、具体的に処理していかないもので、こういう物件はいつまでに売買登記ができる状態になるかを見極めるのが難しいので、買主に事情を説明し、「相続登記・地目変更登記完了後2週間以内に取引する」という但し書きを入れさせてもらうこととしました。
さらに、もう一つは1級建築士の試験問題に出てきそうな土地で、建築基準法では「建築物の敷地は建築基準法による道路に2m以上接しなければならない」という規定があるのですが、その土地は2mくらいの曲がりくねった道に面している土地で、それが建築基準法の道路になるかどうかという判断です。
こういう問題は、坂井市では三国土木事務所、福井市では市役所建築指導課が窓口となり、そこで良く調べなくては判明しない問題です。知らずに売買して、建物が建てられないとなると大問題になる可能性を含んでいるので自然と慎重に調べることとなります。
他に、売買する建物の水道が、隣の敷地(民有地)を通過して引き込んでいる土地であるとか、相続人が外国に居住しているとか、色々知識と経験がなければわからない問題も数多くあります。
ここで大切なのは、相続登記が必要でも、問題なく相続人の同意が取れるか取れないか判断しないで契約だけしてしまうことや、道に関しても細いけど道に面しているから大丈夫だと勝手に判断すること、水道メーターが見当たらなくてもどこかに入っているんだろうと思い込んでしまうことなのです。これらを重要な問題として徹底的に調査して買主に引き渡すのが大切なのですが、そこに気が付くかどうかは注意力の問題であり、経験が物をいう点だと思います。

水道メーターがどこに入っているか質問した売主さんに、「不動産屋って簡単なもんだと思ってたけど、色々大変やな」と言われましたが、そうなんですよ色々大変なんです。
取引に関係する宅地建物取引業法だけではダメなんです。水道や電気、ガス、テレビや最近はネットが使えるかもある程度の知識も必要ですし、登記上や民法の相続、それに売った時や保有している時の税金、お金を借りる時のローンの仕組みや金利、建物建てる際の都市経計画法や建築基準法、その他ホントに色々知ってないとできない職業なんですよ。
そして、知らない時はどこへ行けばわかる、誰に聞けばわかるという経験と、調べに回る行動力も必要なんですよ。