社長のブログ

計画的陳腐化

男性の髭剃りは電気シェーバー派と、いわゆるカミソリ派に分かれますが、私は顔を洗ったさっぱり感が好きで、髭が生え出した頃からカミソリ派です。髭もかなり濃いほうなので、カミソリにもかなり気を使うのですが、若い頃は深ぞりをすると、血が吹き出すほど髭を剃る技術もカミソリの性能も悪かったのですが、その後、カミソリ自体が進化したのか、ツラの皮も厚くなったのか、早くすんなりとそれるようになりました。
カミソリ自体はしばらくは2枚刃の時代が長かったのですが、その後の進化はすごいものがあり、3枚刃の振動型で出てきた時点で、剃り心地はスムーズで深剃りも満足行くもので、カミソリも究極に達したと思っていましたが、その後4枚刃が登場、ついに1年程前には5枚刃も発売されました。
新し物好きな私も早速使ってみましたが、剃れているか剃れていないかわからないほどスムーズで、びっくりでした。ところが、表面は剃れているのですが、5枚刃は深ぞりが苦手でなかなか深く剃れないのが難点でした。それにも増して、さすがに5枚刃ともなると替刃も高く、1枚あたり300円以上。しばらくして、昔の3枚刃を使ってみると、それている実感と深そりができることでやっぱり3枚刃に戻すことにしましたが、同じ3枚刃の替刃はすでに売っていなくてがっかり。ネットで探してようやく手に入れました。
安くて深剃りしやすい昔の3枚刃はなぜ生産中止になったのか。
それがメーカーの計画的陳腐化という販売戦略なのです。それほど新しい技術や効果が開発できなくても、新製品を作り出し、従来の商品よりネーミングやほんの少しの効能をアピールし、旧製品の買い替えを促し、同時に消耗品も新しいものを買ってもらい、売り上げを上げているのです。

先日、友達がゴルフクラブのドライバーを買いに一緒について行きましたが、どうしても「新製品」「新開発」の商品ばかりに目が行ってしまいます。ゴルフのドライバーって、ヘッドの素材がパーシモンからチタンなど金属に変わったのは大きな変化でしたが、その後はヘッドが大きくなり続け、これ以上、大きな変化がない顕著なる商品ですが、やっぱり買い換えるとき消費者は「新製品」「新開発」という言葉に弱いのです。
友人も結局、白いヘッドの新しいドライバーを買いましたが、それほど球筋、飛距離は変わらないし、まんまと計画的陳腐化の販売戦略にはまったと見ています。明日はこの友人とゴルフに行ってきます。検証後の結果はまた今度…。

それにしても、不動産の価格は下がる一方。商品自体に変化や付加価値をつけにくい売土地は、計画的ならともかく、停滞型陳腐化が進む一方です。