社長のブログ

不動産業者の物件調査

あるお客様から、使っていない土地の売却を依頼されて、いざ現場へ。
売土地の現地調査は、中古住宅に比較して簡単ですが、前面道路の種類や幅員、側溝や周辺土地や境界の状況、そして電気や上下水道の敷設状況などなど、見落とすと取引前の説明に困ったり、そのまま契約すると後々トラブルの原因となるので、気を抜かずにしっかり行います。
現場へ向かうと、売地のほぼ真ん中に、コンクリートの下水桝、その手前に水道メーター、中をのぞくと13㎜管のメーター完備、その横には散水栓もつながっている。水は出ないけど、閉栓中と判断したのが下の写真。

これで、現地調査完了ですが、下水道は宅地内に下水桝が完備されていても、受益者負担金と言って、最初に使用するための初期費用が納付されているかどうかも重要なので、役所の下水道課へ未納金がないか、そして敷設図をもらいに向かいました。
これはこれまでの所有者=売主に聞いてもいいのですが、ほとんどの方は下水が入っていれば、すぐに使用できると思っていて、受益者負担金なんて存在さえ知らない人がほとんど。それと買主にとっては、道路のどこから接続されているかなど、図面もあると安心するので、最近は図面も取るようにしています。
そこで役所へ行くと、重大な事実が判明
下水道の敷設図を見てもその土地へは公共下水の敷設がされていない。当然受益者負担金は払っていないのではなく、発生もしていない状況だと判明。ついでに上水道課へ行くと、これまた宅地内への配水工事の書面も図面もなし。

じゃ、この下水と水道メーターは何なの?
後日役所の人が現場へ行って、色のついた水を流したりして確認したところ、この団地ができた昭和44年ころ、この団地だけの水道と下水道が引かれていたらしく、今はもう使えないもので、公共下水や水道は改めて負担金を納めて工事をする必要があるとのこと。
全く不動産屋泣かせの土地でした。