よもやま話/社長のブログ

賃貸管理業について

昨年5月に、福井県の宅建協会(正式には公益社団法人福井県宅地建物取引業協会)の会長に就任して以来、おおよそ1年間このブログの更新ができていませんでした。

この協会は全国的な組織の構成員となっている関係で、全国の協会で組織する全宅連、全宅保証、中部圏の流通機構、それと全宅管理などなど、全国や地域の団体の役職も重任することとなり、名古屋や東京にもかなり出かける機会も多くなる予定でしたが、昨年来のコロナ禍の影響でほとんどがWeb会議での開催で、出かける機会は大変少なくなっています。

そういう中、全宅管理(一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会)の副会長に当て職みたいな形で就任しており、昨日はその総会において議長を務めるため上京し、総会後に開催された全宅管理設立10周年にも参加して参りました。

思えば約40年前、私が不動産業の世界に入った頃は、賃貸は家主と入居者を結び付け契約して仲介料を頂くだけの取引でした。入居後の家賃や物件のトラブルはすべて入居者と家主が直接連絡して解決していたわけですが、ある時私が決めた物件の家主から、家賃がもう3か月もらっていないので催促して欲しいと連絡がありました。入居者に電話すると、一度に3ヶ月分も払えないから少しずつ増額して払うという約束をし、家主にはその分も入金されているか毎月確認して欲しいとお願いしたところ、毎月通帳の記帳に行けないので困ると言われました。そもそも3カ月も家賃が入っていないのがわからなかったのは、銀行へ記帳に行っていなかった家主にも管理上の責任もあり、一旦うちの会社に振り込んでもらって毎月入金確認して、入っていなかったらすぐに催促するようにしましょうか、ってことから、家賃の入金管理が始まり、そのうち入居者からの苦情にもすべて対応するので、管理料を家主より頂くビジネスモデルが出来上がってきました。

管理料を頂けるのだから、どのような業務をするか決めておく必要もあり、派生的に入退去の際の立会いや、修繕の見積もりやハウスクリーニングの発注など、家主が行うべき義務をすべて代わって管理する契約にしましょうということになりました。そこで、どこかに見本となるような契約がないか調べたことを覚えていますが、まだインターネットもない時代ですから、全くの白紙から自分で「管理委託契約書」を書き上げました。その時感じたのが、このような管理業務は宅地建物取引業法に規定されておらず、単なる随意契約であり免許もいらない罰則規定もない契約だということを感じていました。

バブルは終わって沈静化してきたものの、不動産は遊ばせておくのはもったいないので、アパートやテナントビル、マンションを建てたい人は数多く、その時勢に乗って急成長していったアパート専門の建設業者が現れ始めたのもこの頃で、金融機関の融資もセットして、入居者がいなくても家賃保証をすることでサブリースが始まりました。

入居者がいても、いないくても家賃保証するというと、融資を受けた返済が滞ることはなく、毎月決まった金額が手元に入ってくるということで、サブリースは全盛期を迎えましたが、入居者がいなければ慈善事業ではないわけで、保証する家賃を下げるのは当たり前なのですが、それは約束と違うという家主も10年ほど前から多くなりました。入居者の減少は少子高齢化とアパートの乱立が原因ですが、保証家賃を減額することをしっかりと認識していない家主が被害に遭うこととなりました。そのうち、金融機関の融資審査が杜撰だったことも表面化し、全国で多額の被害が生じる事件にまで発展してしまいました。これらは、前述の通り、この業務を所管する法律や規定がなかったことが原因でした。

そこで今年6月15日に施行されたのが「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」で、サブリース契約には借り上げ家賃が減額される場合があることを明記し、認識させることが法制化され、管理業者も登録制として、罰則規定も設けて違法な業者を排除するようになったわけです。

私は常々言っているのですが、アパートを建てても新しいうちは家賃設定が間違わなければ、10年は安泰ですが、10年以上経つと周辺の状況や家賃相場が変わり、それと建物の維持管理状況によりアパート経営はうまく行く人と行かない人の差が段々大きくなっていきます。アパートを建てると、立派な不動産賃貸業ですので、その業を営むプロとしての心構えが必要だということです。

 

 

2021/7/1