社長のブログ

不動産取引の大事なこと

鷹巣から帰ってきて、今日16日は大安。
取引は大安にしたい人も多く、丸岡の中古住宅を買っていただいたKさんとの決済日。決済とは、①手付金以外の残金を頂くと同時に、②所有権の移転登記、③物件の引渡をすることで、不動産取引では、この3つを同時に行なわないと、色々トラブルの原因になるので、非常に大事な日です。
例えば素人さん同士でよくあるトラブルが、売主が移転登記も物件引渡もできる準備をしていても、買主が残金があと少し足りないので、足りない分は1週間後に払うので、移転登記と物件引渡は済ませてしまうケース。期限が来ても足りない分を中々支払ってくれずにもめてしまうことや、この逆で買主がお金を支払ったのに移転登記をしてくれないとか、揉め事を引き起こす危ない原因を作るのは、この決済日に発生することが多いようです。
売物件に抵当権が付いていて、買主はその物件をローンで借入して支払うケースなど、決済に向けた準備をしっかりしておかないと、トラブルになることが多いのので注意が必要です。抵当権がついている物件でも安心した取引は充分に可能ですが、不動産のプロに仲介を任せした方が良い理由は、不動産取引にはこういう危険を秘めているからです。
さて、今回決済日を迎えたKさんですが、実はこの方、11月初旬に「丸岡の○○○の物件まだありますか?」「あるのなら、これ買いたいので取っておいて下さい。」って、広告を見て、物件の外部だけを見て突然電話がかかってきた人でした。
「後々後悔されるかもしれませんから一度中も見てから決めてください」と答え、後日その建物の中を見ていただいたのですが、「いやぁ~、こんなに傷んでいるとは思わんかった。」ってことだったのです。そして、この方はもう一つ大事なことを忘れておられました。購入資金の手当てが全くされていない状態で、「この家買いたい」って言っておられたのです。
その後、日曜日も開いている金融機関のローン相談窓口で仮申込をして、承認を得られてもう一度内部を見たりしている間に、もう一件、別の物件が出てきてお見せしたら、結局その住宅を気に入られて、ご契約を頂きました。
中古住宅はやっぱり外からだけではなく、現物の内部もよく見て決めて頂きたい理由は、取引が終わった後になって、こんな状態だとは思わなかったとか、もっと綺麗だと思ったという思い違いが多く発生するからです。それだけに弊社ではできるだけ詳しく、良いところばかりでなく、悪い点、今後起き得るリフォーム費用などまで説明させていただき、納得の上購入していただきたいと思っています。中古住宅の場合は内部もよく見てから契約することも不動産取引の大事なことだと思います。

ところが、今日の決済終了後、ビックリしたことが今日判りました。
決済を無事終えて、引渡の最終確認をすることとなり、ご主人と奥さんと一緒にその住宅の中に入ったら、ご主人が「中を見るのは3日ほど前に見て、今日が2回目」とおっしゃるのです。この住宅は、契約前からリフォーム工事に入っていて、内部はいつでも見れる状態だったので、私はてっきりご主人もその時期に内部を確認して契約されたものだと思っていましたが、結局、ご家族は何度か中を見たのですが、ご主人は中を見ないで決めてしまっていたのです。
私としては、あれほど「中を見てから決めてくださいね」と言っていたのに、少し不安になりましたが、「まぁ 娘がこれがいいって言ったので、老いては子に従えだ」ってことで、明るく笑い飛ばす顔に私の不安は一気に解消しました。
決済の時も、ローンの返済表が奥さんに渡されると、ご主人に向かって優しい笑い顔で「これからも頑張って下さいね」ってご主人にそれを渡す姿も印象的でした。それにしても、ご家族を信頼していることがよくわかるご主人と、まるでホームドラマを見ているようなほほえましい家族で、売り手の私まで心が和らいだ取引でした。
このKさんには弊社で取り扱っている火災保険にもご加入いただきましたことと、それ以上に、ほほえましい家族の結びつきを感じさせていただき、気持ちの良い取引をさせていただいたお礼に、住宅用火災警報器を弊社からプレゼントさせていただきました。Kさんありがとうございました。